『城のあるじは集中型』
個展のための制作に忙しいなか、UMAMI BAGSの秘密を探るべく工房見学。日野市にある自宅の一隅にある工房は、片側に作業台、片側に革専用ミシンが2台並んでいる。
天井には皮が丸まって整列している。反対側を見上げると個展を待つバッグの入った白い箱たち。作業台の前にはさまざまな道具がびっしり。針や糸やピンや鋲の入っている小箪笥。その横にはボール紙の型紙。限られたスペースが、無駄なく整然と収納に使われている。外注でもう少し数を作ろうとしたこともあるが、納得のゆく仕事をするには、一人で全てをやったほうがいい、ということになった、と言う工房のあるじ。これからも一品ものを作ってゆきたいと望む江面さんには、一人で創作に集中できるこの工房はまさに城である。
『さらっと利かせる隠し味は
伝統の技だった』
江面さんのバッグの魅力の秘密を考えてみると、あることに気づいた。それは、普通の革バッグでは使われていない手法があちこちに使われている。そのいくつかは伝統の技でもある、ということだ。
それらの手法の幾つかをご紹介しよう。
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