かつて5月の伊那谷を訪ねたことがあります。山に囲まれ遅い春を迎えた里山は、木も草もいっせいに花をつけ、桃源郷とはこうした風景かもしれない、と思ったものでした。「伊那紬」の名はその記憶と重なり、楽しみな訪問となりました。伊那紬は、松本紬、上田紬、飯田紬とともに、総称として信州紬と呼ばれています。糸ごしらえ、染め、織りの一貫製造をするという、いまでは貴重な存在となった久保田織染工業を駒ヶ根市にお訪ねしました。
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