台風4号の発生が告げられ、梅雨が明けたか明けないか、曖昧な6月14日から3泊4日の宮古島レポートです。
まず、宮古島の基本データを少し。東京から2000km、大小8つの有人島から成る。総面積204kmは大阪市より少し小さい。総人口55000人。一番高いところでも標高110m余り。川が一本もない!ハブのいない唯一の島。石灰岩を通ってくる水は硬水。シャンプー後の髪に手グシが入らない。平均湿度77%、平均気温摂氏23.6度。宮古上布は国の重要無形文化財。こんなところでしょうか。
宿で手にした6月15日付沖縄タイムス紙一面の見出しに大きく踊る『オスプレイまた墜落』。普天間飛行場に12機の配備が予定されているオスプレイMV22と機体の構造が9割共通しているというオスプレイCV22が、フロリダで墜落、5名の負傷者を出しました。飛行ルートに、那覇市や浦添市など中心市街地が含まれ、安全が担保されていないと、知事、宜野湾市長らが強い抗議を政府に表明したとあります。『安全神話崩壊』『市街地覆う恐怖』『県 もう納得できぬ』『計画撤回しかない』と配備反対を強く迫る見出し。東京で読むのとはかなり違うインパクトに、沖縄県民のいらだちが伝わります。一方、小さな関連記事では、在日米軍司令官のコメント「痛ましい事故だが誰も死亡しなかったのは本当によかった」と、肩すかしのようにトーンが違います。
朝食までの時間、もう少し新聞を。喜ばしいニュース。『勝山シークワーサー世界の三つ星』。県産果汁100%のジュースが国際味覚審査機構の食品コンクールで最高の三つ星を受賞したというもの。広告ページの「買います」欄にある『軍用地 3億まで買います!』など、沖縄ならではの広告も目を引きました。
今回の宿泊は、インターネットで探した
「すまやどう あか浜やー」
。東京から移り住み、8年前に2部屋の客室兼自宅を建てた高辻夫妻が経営するお宿。ご主人はプロの修行をつんだ料理人で、地元の魚、野菜、果物をふんだんに使った絶品を食べさせてくれました。例えば、県産豚ラフティ田芋包み揚げ出し、アウキャー墨汁は烏賊墨のスープ、青パパイヤの金平。パッションフルーツ酒や島桑酒。沖縄っぽくもありながら、洗練された味に仕上がっています。清潔感漂う客室は、二人で泊まるには充分の広さ。タオルやガウンの洗い上がりに奥様の仕事ぶりが感じられます。ベランダに出るとサトウキビ畑の向こうは海。絵はがきのような海ではなく、普段の海の眺めがありました。
もう一つの発見は、「イタリア人のカフェ ベルデマーレ」。ランチのみですが、頼み込めば、ディナーもやってくれるかもしれない。イタリアで4代にわたりレストランを営んできた家の娘さんと日本人の夫のコンビ。豚料理のソースは、二つ星レストラン級のお味。
観光スポットはさておき、お勧めは、空港に近い農協さん。日曜日も開いていて、生産者が直接販売台に野菜や果物を並べにきていました。パッションフルーツ、ミニパパイア(地産地消の好例、とても甘い)、黒大豆などを箱に詰めて持ち帰りました。
快適な宿と、口にあう食べ物に出会いさえすれば、たいていの旅はハッピーエンド間違いなしの、納得の宮古島でした。
(2012/6 よこやまゆうこ)
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