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『地中海航海日誌その4 <St.Tropezサントロペ雑感雑影>』

南仏コート・ダジュールの保養地の代表のようなSt.Tropez(サントロペ)。その印象を皮肉な一言で言うと、out-of-date。時代遅れとでもいうのだろうか。人口6000の町に、四月の復活祭からシーズン終わりの10月末までに何万という観光客が国内外から訪れる。
1956年にこの地を舞台にしたロジェ・ヴァディム監督、ブリジッド・バルドー主演の『And God Created Woman』(素直な悪女)がヒットするや、一気に映画関係者とファッショナブルな人々のメッカになった。そのバルドーも80才に手が届く。湾のずっとはずれの静かな環境に隠棲しているとガイドが指差して教えてくれた。ツアーで一緒のカリフォルニアからの若い女性はバルドーを知らないと言ったが、無理はない。町には多くの画廊があるが、バルドーやミックジャガーのプリントを掲げているところが目につく。ジョニー・ディップ経営のレストランにもやっぱりバルドーのプリントがあった。
賑わいを避けて細い坂道に連なる住宅地を歩く。パステル色の壁がいかにもフランスらしい。スペインの色使いに比べて、どこか優しく甘く心地よい。丘の上に登るとテラコッタの密集する先には、どこまでも澄んで蒼い地中海の眺望。ヨットやボートが白い航跡を思いの方向に引いている。オレンジ色の夕陽に波止場の回転木馬がきらきらと回る様子は、何やら遠い夢のようでもありもの悲しくもある。
サントロペ最後の日は朝市。お盆の帰省ラッシュのように、フランス人ヴァカンス客と観光客とが犇めき合う。警官やら広域警備隊がシェパードを連れてパトロールするやら、市場の中でハープを演奏する女性がいるやらするなかに、野菜、香辛料、ハム、チーズ、ナッツ類、蜂蜜、石鹸、衣服、骨董品などが無秩序に店を並べている。種類別にかたまってくれたら買い物し易いのにと思うのだが、ばらばら。これがフランス流かな、、。本日のお買い物は、ポーレン(花粉)と純正アルガン油とスプレー式プロポリス。スプレー式なのは喉の消毒用とのこと。
  船からの夜景。細い三日月の光の道が船まで届いた。
次回のレポートはイタリアの港町からの予定。
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(2013/8 よこやまゆうこ)

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