5月に開かれる『湘南の漆びと・5人展』の出展作家のうち、これまでに三人をご紹介してきました。今回はその4人目をご紹介します。
漆作家としてベテランのキャリアをもつ矢沢光広さんは、鎌倉に工房とショップをお持ちです。鎌倉彫の父のあとは継がず、とはいえ、漆塗りの環境に育ったゆえにか、木を彫り、漆を塗ることをためらいなく仕事に選びました。縄文式土器の造形に魅かれ、日本中のマイナーな出土地までも巡り歩き、日本民藝館や博物館、美術館などを足しげく訪ねる若き日々だったそう。門前の小僧経を読むの喩え通り、師にもつかず公募展にも出さず、ひたすら古いものを見ることで学び、かれこれ50年近く、自己流の漆器作りの道を歩んでこられました。
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