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PIGMENT=ピグモンへ行ってみた
PIGMENT=ピグモンへ行ってみた
日本に行けばある分野における世界中の最高品質のものが手に入る、ということは、生産者/消費者の双方にとって悪い考えではないでしょう。
『ピグモン』はそうした方向を目指して作られた店舗です。扱う品は各種顔料をはじめとする画材全般。東洋画材は中国、台湾でも入手しにくく、日本に買いにくるアーティストが増えていると言います。
ピグモンは品川区天王洲アイル区域に寺田倉庫が開発した一角にあります。200平米の内装デザインは建築家・隈研吾氏。内装素材も展示も照明もほどよい節度と洗練があり、居心地よい空間。壁全面に並べられた顔料入りガラス瓶それ自体が商品であり内装デザインの一部。日本画に必要なさまざまな筆や刷毛、書道家にはたまらない硯石や墨のコレクション。奈良の墨の産地で作られている黄や紺色の墨まであります。書道家の女性が、色墨で書いてみたいと試し書きに訪れていました。
4200色の顔料、200種の墨、50種の動物由来の膠が展示されていると、パンフレットにあります。

絶滅危惧種の手漉き和紙。良質の手漉きは日本でしか手に入らない一方、需要の激減から生産者も激減。年間売上額では、平成3年:21億4千万円、平成13年:19億4千万円、平成23年:9億1千万円、従業員数では、平成13年からの10年間で453名減り、現在814人と報告されています(伝統的工芸品産業振興協会データ)。売上げは10年間で半減していることがわかります。上質の筆や刷毛にしても同様です。使い手が増えなければ作り手も増えません。美術品の修復などを考えると、絶やしてしまう訳にはゆきません。貴重な技を後世に伝えるためには、消費を増やすことが大切です。

ピグモンが高品質の画材用具を求める世界中の画家、書家らのメッカになればと願います。
店内では、美術大学卒の画材エキスパートが、親切に質問に答えてくれるので、ふらりと覗いてみても楽しいところです。ワークショップなども開かれているので、チェックしてみて下さい。
ところ:
東京都品川区東品川2-5-5
TERRADA Harbor Oneビル1階
03-5781-9550 11:00~20:00 月/木定休
https://pigment.tokyo/ja/

(2016/11 よこやまゆうこ)

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