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多くの電信柱が、1m以上も垂直に埋もれている
<番外編>『重蔵神社曳山山車も被害を受けました』
    昔々のこと、輪島の男性陣と話していると、度々耳にする言葉は、「重蔵神社」「曳山」「42歳」の3つでした。
    重蔵神社は輪島市河井町にある平安時代まで遡る歴史を持つ鳳至一郡の総社。遠く崇神天皇の時代に創建されたと伝えられています。「曳山」は、4月4日から6日に行われる春をもたらす恒例行事。「42歳」とは、その曳山を曳くのは数えで42歳になる地元の厄年の男子たちです。曳山はその年の同級生たちが心待ちにしている一生に一度の大イベントなのです。
    山車は高さ5mもある総輪島塗。朱と黒の漆と金箔に彩られた華麗な山車は、漆の町輪島を象徴するものです。その山車も、今回の地震では無傷ではいられませんでした。
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    前便で町の様子を送ってくれた塩安漆器工房の塩安氏から、山車の状況を示す写真が送られてきました。上の写真は、解体され修理中の曳山。後段の写真は地震後に撮られた、修理小屋の屋根が山車の破風に落ちかかっているもの。
    塩安氏のメールから:”工房では昨年から曳山の修理を依頼され、9割近くまで出来上がっていました。本体の塗りは、収蔵庫の中で足場を組み、修理作業をしていました。砥ぎ落したり、穴を埋めたり、全部やり、全体の上塗りが終わり、最後に破風部分に12月に金箔を貼って、美しくなったところでした。外せるものは外して、当社の工房で朱の上塗りも終わり、1部に左三つ巴の紋を沈金で付ける直前でした。狭い収蔵庫での作業ですから色々な苦労もあったのですが、やっともう少しだというところまで来ていました。そんな折の大地震。ご覧のように、収蔵庫の屋根を曳山が支えています! そしてよく見ると1階部分と2階部分が「く」の字に折れてしまっているのです。狭くて、見えづらかった金箔で輝く破風が、綺麗に見えます!悲しくて、皮肉です。”
    4月の春祭りに曳山を担ぐことを期待していた今年の42歳男子たち。生涯一度の大イベント、果たしてどうなるのでしょうか。
<催事予告>
「いしかわ伝統工芸フェア2024」
    開催のお知らせ
主 催: 石川県伝統産業合同見本市実行委員会
と き: 2024年2月16日(金)~18(日)
ところ: 東京国際フォーラム B1 
(JR有楽町駅前)
ロビーギャラリー    
    石川県のさまざまな手仕事が一堂に集まり、実演や工芸品の展示販売をします。
輪島からは9社が参加する予定です。
ぜひ、足を運んでみてください! 
(2024/2 よこやまゆうこ)

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