去る6月、花々咲き乱れるイギリスの田舎に研修のための旅をしました。
10年近く続いているグレイトブリテンササカワ財団の助成事業です。今回は地域コミュニテイにおける工芸家の役割についての新しい発想を求める旅でした。
Side Story 8では、この旅で訪れたHooke Parkというユニークな学校をご紹介します。
「フックパーク」は、ロンドンから南西へ3時間程走ったド−セット州ビーミンスターにあります。ジョン・メイクピース氏が主宰するParnham
Collegeという組織の一部として、もう20年以上続いていています。カレッジといっても学生数は年間たった12名。この学校の評判を聞いたり、活躍する卒業生に出会った若者たちが世界中から2年間のコースをとりに、この静かな森の学校にやってきます。
「フックパーク」では、基本理念として6つのテーマをあげています:森林の管理、サステナブルな建築物を作るための新しい技術、エネルギーと素材へのエコロジカルなアプローチ、地元の森の木で作る家具とその流通、エコロジー起業化のための教育、水、廃棄物の管理、総合的エコロジー教育と観光、の6つです。
新任の責任者ジョナサン・フォレスト氏は、自然と共存するもの作りの新しい方向を示す施設として、国内外から見学者がやってくると話してくれました。20年前にこのテーマを掲げ、学校として成り立たせるためにトラストとして賛同者から寄付を求めるなど、主宰者の信念と努力を強く感じました。
では、ここを卒業するとどうなるかというと、卒業生の90%が独立し、工房や会社を運営しているそうです。数人の気のあう学生が各自の特技を活かせる会社を作っているケースもでてきているとか。寮も完備しており、緑深い環境の中で学び、仲間を作り、国際センスを養うには最高のところです。過去には日本人の卒業生も1名いるということです。フォレスト氏は、日本からの生徒がもっと来てくれることを望んでいるといっていました。
Hooke Parkに関心のある方は、www.hookepark.comを御覧下さい。サイト上で資料(英語のみ)請求もできます。もしすぐ資料が欲しい方には、私の手許に数冊のパンフレットがありますのでお気軽にご連絡下さい。(横山 祐子)