雪の盛岡。ピン張り詰めた空気は、東京西麻布交差点近辺の排気ガスいっぱいのそれとは違い、深呼吸をすると肺が喜んでいるのがわかる。
紺屋町に店と工房をもつ古い友人、宮 伸穂氏を訪ねた。宮さんは南部鉄器を作る『釜定』の3代目。若いころにはフィンランドに住んだこともある国際派で、今もフィンランドの工芸家と交流を持っている。北の国同士は共通点と親近感があるという。
南部鉄器というと、一番知られているのは鉄瓶だろう。鉄瓶の表面のぷつぷつの突起、霰模様は、型の内面がまだほんのり湿っているあいだに、細い棒状の道具を押して穴を作り、鉄を流し込むとあのような突起になる。底の方の大きめの突起から、口のほうにむかって次第に小さくなってゆく均等な間隔は、集中力と指の間隔だけが頼り。やり直しの効かない一発勝負の仕事だ。
以前使った鉄瓶は水を入れたまま旅にでてしまい、中を錆びさせて以来、ちょっと使いづらいかな、と思っていたが、鉄分補給にもなるし、もう一度使ってみようかという気になった。小さくても黒くて重たくて、その存在感でキッチンの主になってくれそうだ。
宮さんのお勧めは飯釜。鉄釜で炊いたおこげの美味しさは癖になるよ、と。2合炊き(15000円)から、3合(18000円)、5合(23000円)1升炊き(45000円)までそろっている。御飯を炊くだけでなく、シチューや野菜スープなど、一器多用に使えそうだ。
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