『布づくし・展』の出展者を訪ねるシリーズ、その12は、石川県白峰村に850年前から織られつづけている牛首紬(うしくびつむぎ)。今ではたった二軒残った織元のうちの一軒、白山工房の西山博之さんです。 玉繭という繭をご存知でしょうか。普通の繭は一匹の蚕が作ったものですが、玉繭は雌雄二匹の繭が一緒に作った繭です。養蚕農家で育てられる繭のうち、2〜3%が玉繭になります。そして、着尺一反(14m弱)を織るのに4000個の玉繭が必要です。玉繭は普通の繭に比べて少し大振りで、2匹の蚕が出した糸が絡み合うため小節があり、ふんわりと空気を含んだ糸になります。牛首紬の最大の特徴は、緯糸にこの玉繭の糸だけを使うことです。大正時代には年間15000反製産していましたが、現在は5000反ということです。
(2004/10/よこやまゆうこ)
(C)Copyright 2004 Jomon-sha Inc, All rights reserved. このホームページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。