新潟県中越地震の報道に接したとき、まず頭に浮かんだのは小千谷縮の産地のことだった。OZONEでの『布づくし・展』には、小千谷織物同業協同組合の樋口隆司理事長が縮の着尺を出展してくださり、近々お訪ねしたいと思っていた矢先のこと。ニュースで家々の倒壊の様子を見るにつけ、織機や道具や材料はどのようになっているのだろう、落ちてきた屋根で壊滅状態なのだろうか、また、出機(でばた)で織りをしている年輩の女性たちは、このことで織りをやめたりしないだろうか、と。しかし、問合せやお見舞いの電話で家の片づけ作業が進まないとも聞くにつけ、連絡するのを遠慮してしまっていた。
そんなとき、問屋を対象にした小千谷縮の展示会が京都、名古屋、東京でも開かれると知り取材に伺った。
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