『布づくし・展 日本の布200選』の出展者を訪ねる工房探訪シリーズ・その25は、村山大島紬を作り続ける田代隆久さんです。 一昔前までは、着物を着る女性なら必ず一枚は持っていたといわれるほどポピュラーな村山大島紬ですが、武蔵村山市で今でも絣染から織りまでを続けているのは、田代隆久さんの田房染織一軒だけになってしまいました。 田代さんが3代目として家業を継いだ背景には、父悦康さんの哲学があったようです。それは、“力量に応じたことをすること”“良いときには悪いときのことを考え、悪いときには良いときのことを考えなさい ”というものです。茶の間の鴨居には、初代の祖父母と2年前に亡くなったお父様の肖像画が、今とこれからの田代家を見守るかのように掛かっています。
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