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<お客さまの声>『竹籠を愛する海辺の人より』

青竹細工は日本各地で日常的に作られてきた生活道具です。ところが、日本が欧米化を目指し、好景気になるにつれて、あか抜けしたデザインのプラスチック製生活雑貨が街にあふれるようになりました。青竹の笊(ざる)や水切り篭は家庭の台所から消え、背負い篭や魚篭(びく)や泥鰌/穴子篭は、農家や漁師さんに近い所に住んでいる作り手が、ほそぼそと消え去らない程度に作っているというのが現状です。
一方、Feature #001でご紹介している大分の桐山さんのように、現代の生活にも使える竹篭を作り、都会の使い手を獲得した作り手もいます。
桐山さんの春篭をご注文くださった神奈川県葉山のTOさんから、メッセージと写真をお送り頂きましたので、ご紹介します。


『竹篭の良さは、軽いのに丈夫で、口が開いているので、何でもぼんぼん放り込めるのが私にはいいので す。車の助手席に竹篭を置いて、財布や免許証や携帯電 話や新聞を入れて、朝食をとりに近くの喫茶店に 行ったりするときに、実に使い勝手がいいのです。
そして、今回の春篭は、さっそく日曜日に鎌倉散歩に連れて歩きました。鎌倉の地図と一眼レフのカメラと交換レンズを入れて持ち歩きました。この春篭は大きめなので、 男の私が持って歩くのにとても重宝します。
口が広く開いていますから、カメラや地図を好きな時に いつでも取り出せます。散歩途中、数人の方から、すれ違いざまに、「素敵な篭ですね」とか「あの竹かごいいわー」などと声 をかけられました。いいものは、一目で分かるものなのでしょう。もっ とも、ご婦人方からの声ばかりでしたが、、。
もう一つは、物干し台にビールの空き瓶を入れている篭。一戸の柴田智さんの手になるものです。日常の買い物用として作られていますので、作りが荒いのですが、いわゆる、雰囲気の良い市場篭で、実用本位の使いやすい篭です。篭が満タンになったら、このまま酒屋に瓶を返しに行けるのでとても便利です。仕事のついでに一戸へ買いに行き、旅のお土産を放り込み、新幹線で持って帰ってきました。車中、周りの人からジロジロ見られました。スーツにロングコートという姿にこの篭を提げてきたのですから。
台所の棚にある根菜を放り込んでいる平たい篭は、遠野で購入したすず竹と桜の皮で編んだ篭です』


TOさんがお使いの買出し篭は、青森県一戸の特産品で、しなやかな篠竹を細かく割いて編んであります。よく飲食街で白衣姿の板前修業中とおぼしきお兄さんが提げているのを見かける篭と同形です。でも、お兄さんのそれは、よく見ると、持ち手が透明のビニールだったりすることが多いようです。一戸の買出し篭は、持ち手も藤が使われていますから、見た目も素敵です。
根菜を入れていらっしゃる篭は、地元では「肥料振り篭「と呼ばれているそうです。民芸店でよく見られるものは、宮城県大和町で作られているものが主流のようです。

今回、お便りを頂いたTOさんの竹篭使いは、気取らず、理にかなっていて、竹篭本来の力を引き出していらっしゃるようで、大いに嬉しくなりました。エコなどと言うまでもなく、もっと見直されても良い天然の素材と手仕事だと思います。
    (2010/3 よこやまゆうこ)

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