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『竹筬(たけおさ)復活にむけて日本竹筬技術保存研究会の試み』

手仕事にとって、道具は手の延長であるといわれます。道具の良し悪しは、作業のし易さやスピードはむろんのこと、でき上がった品物の質にも大きく関わってきます。
多くの伝統工芸にとって、頭痛の種であり今後ますます大きくなる問題の一つは、素材が国内で手に入らなくなりつつあるということ。もう一つは、道具を作る人がいなくなるということです。
材料については、例えば、漆原液の90%は中国から輸入されています。生糸については、中国やブラジルからの輸入生糸が主流となり、日本の養蚕農家への補助金制度が数年内に打ち切られる今年以降、さらなる減少が予想されています。
もちろん、今でも日本産漆を採る人はいますし、桑を植え、蚕を育てている農家もありますが、人件費を考えると、とてつもなく高額なものになってしまいます。このように、伝統の手技を残すためには、素材や道具の手当も、大切なことの一つとなっています。
布は、経糸(たていと)を交差させたその間に、杼(ひ)にセットした緯糸(よこいと)を差し込むことで布が織られてゆきます。この織りの作業にとって大切なものに筬(おさ)と呼ばれる道具があります。筬の役目は、経糸の密度を一定に保ち、織物の巾を決め、杼=緯糸が通る道をつくり、緯糸を打ち込めるようにすることです。きちんとした布を織るために、とても大切な道具です。筬には竹を薄く削った羽が等間隔で嵌め込まれています。使う糸や織りたい布により、荒めの筬から細かな筬までを使い分けます。細かい筬では、羽の厚みは0.35ミリの薄さにもなります。竹製の筬のほかには、金属を使ったものがあり、既に大正10年ころから出回るようになっていました。機能的には同じなのですが、使い勝手としては、竹筬のほうがはるかに使いやすいのです。糸にも優しく、目にも楽です。けれども、着物産業の縮小にともない、この竹製の筬を作る人がいなくなり、中国で作るという試みもありましたが、とても着物を織るために必要な完成度をもつ筬は作ることができませんでした。
そこで、平成15年、京都の撚糸屋さん下村 輝さんを中心とする有志により『日本竹筬技術保存研究会』が結成され、研究が進められました。平成20年には、新たに作られた竹筬を使い、沖縄をはじめ各地の織作家に試織を依頼、フィードバックを得るところまで漕ぎ着けました。
  去る2月28日、八王子織物工業組合別館に於いて、試作竹筬による織布展が開かれ、古い筬の診断や修理が行われました。熱心な参加者たちが羽の痛んだ古い筬を持ちより、筬職人大橋 滋さんの診断を受け、修理や組み直しをお願いすることができました。

和紙、漆器、織りものなど、伝統の技を受け継ぎ、上質の工芸品を作り続けてゆくためには、当節はやりの”市場原理”だけでは、消えてゆくものが多く、ただ手を拱いているわけにはゆきません。下村さんたちの活動を応援したいと思います。関心のある方は、下村さん(075-313-1348)までご連絡下さい。

日本竹筬技術保存研究会(竹筬研究会)
http://takeosa.blog.shinobi.jp/

会員募集中:正会員 5,000円
準会員 1,000円
賛助会員 5,000円/口

郵便振替口座 00940−7−269153
竹筬研究会
    (2010/5 よこやまゆうこ)

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