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『地中海航海日誌その2 <マヨルカ島>』
クラシック好きの人にとって、マヨルカといえばフレデリック・ショパンとジョルジュ・サンドを連想するのだろうか。ほんの短期間の滞在にしては、その恋の道行きとして、マヨルカの方も、存分に観光資源として活用している感がある。二人が滞在した僧院美術館では、二人の巨大な人形に驚かされ、ショパン自筆の楽譜、使用したグランドピアノ、ジョルジュ・サンドの原稿など二人のメモリーの数々が展示されていた。
さて、この時期のマヨルカは、灌木が張りつくように生える岩肌をみせる乾燥の島だ。人口は意外に多く87万人ほど。錨を降ろしたPuerto Soller(プエルト ソーリエル)は馬蹄形をなすビーチをもち、大小のヨットが犇めき、浜辺はパラソルが並び、芋の子を洗う状態を呈していた。ドイツ人のハワイとの異名もあるとか。とても歩ける暑さではないのでレンタカーで巡ることに。年古りたオレンジの樹が生えるハイウエイを30分ほど南下すると首都Palma(パルマ)。人口の半分がここに住んでいる。街としての魅力は薄い。掠め見たのは偉容を誇るカテドラルと宮殿。全面土色のゴシック建築はガウディによって改修されたことでも観光メッカとなっている。駐車のための長蛇の列に恐れをなし入場を断念。
  再び北上、本日のハイライト、マヨルカ島で最も美しいと言われる村Valldemossa(ヴァルデモッサ)へ。La Cartujaは1399年から1835年まで僧院だった建物が今は美術館。僧院になるまえは宮殿。果樹園や段々畑を見晴らす丘に建ち、心地よい風が吹き抜けるたくさんの部屋が回廊添いに並ぶ。職員の女性が熱心にパンフレットを手渡してくれるのだが、斜め読みにて、、。
強い太陽に誰もが気怠そうで、ベンチに腰掛けて無口に風を受けるカップル、ひんやりする石の床に座り込む少年、多くは早々にレストランに移動の様子。本日のランチはイカスミのパイエイア。真っ黒な皿が運ばれてくると、横のドイツ人家族が一斉に見た。見かけによらずお味はそこそこ、イカ、ムールー貝、蛤、エビなどすべて真っ黒で識別不能ながら、歯触りと味でしっかり確認。
ソーリエル海岸でレンタカーを戻した時、「オレンジ・エキスプレス」と呼ばれる路面電車と行き交った。オレンジ香る道を走ることからの命名とか。パルマまでの30分ほど、島の自然が楽しめるそう。
  美術館の外の小さなブティックで見つけたのはマヨルカ絣。木綿と麻の混紡布に化学染めながら確かに縦絣。家具やクッションで見たことがあるのを思い出したが、タイあたりで作られているものとばかり思っていた。マヨルカの手仕事とは浅学にして知らなかった。1980年には世界現代クラフトショーで一等賞を受賞している。
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(2013/8 よこやまゆうこ)

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