能登半島というと秘境と名づけられたり、漆器で有名な輪島市があったり、地元の海産物が並ぶ朝市などのイメージが定着しています。観光客はまず朝市をひやかし、漆器店をのぞいて、千枚田まで足を伸ばし、そこから、一気に和倉温泉へ向かう、という流れも一般的でしょうか。一方、聞きなれないかもしれませんが、能登ワインは国産ワインコンクールで入賞を繰り返し、プロも注目するワインに洗練されつつあり、冬場は牡蠣料理を食べさせる料理店が犇めく街道筋があり、地魚を握る寿司屋がありと、食いしん坊ならずとも放っとけない!野趣味タップリの魅力を隠し持っています。
また、奥能登には重要文化財時国家をはじめ、曹洞宗大本山総持寺があり(門前の蕎麦はサイコー)、夏のキリコ祭では炎と男たちが狂い、珠洲市の浜には現役の塩田があり、と能登ならではの文化も数多く残されています。
そんな能登をそっくり紹介しようという地産地消文化情報誌
『能登』
があります。地方誌だけあって、突っ込みの深さも半端ではありません。知られざる能登の伝承文化を建物から研究する地元の建築家・高木信治さんのレポートも全10回の連載で掲載されています。建築家の目で見た能登半島の歴史や建物、食文化やひとびとの営みまで、高木さんの端正な文章と写真でつづられています。
そのレポートをそっくりside storyで連載できることになりました。まずは、地産地消文化情報誌『能登』のご紹介から。
(写真はすべて『能登』より)
(2013/12 よこやまゆうこ)
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