ご紹介する微妙に形の違う三種のカップは、いずれもミズメサクラの木地に、外側は木地溜塗、内側を朱、潤、黒の三色で仕上げています。口のところには布を着せ、内側は下地を施さず、漆だけを塗り重ねる手法で仕上げています。そのせいで、ぼってり感のない、素っぴん美人のような爽やかな器。ご本人のこだわりは、“見た目は地味で目立たないけれど、使っていて心地よいと感じてもらえるような器”を作りたいことだそう。
1976年生まれの佐藤さんは、漆とは縁のない環境で生まれ育ち、大学も地理学科。卒業と同時に会津の相田啓介氏に弟子入り、さらに独立後、
伏見眞樹さん
に指導を受けました。今年は独立して10年目。そろそろ本腰を入れて、一生の仕事と決めた漆器作りに向かいたいと意欲満々。その誠実で手抜きのない技と知的なデザイン力が評価され、ここ数年、日本民藝館展で連続入選を果たしていることからも、その実力がわかります。師である伏見眞樹さんからの一言。「繊細で敏感な国産漆を塗ることに果敢に挑戦し続ける希有な若手の一人。日本産漆の優しい魅力を伝える後継者として、若い世代の漆器離れを食い止めて欲しいですね」
次々と工芸品専門店が閉店する昨今、同年配の人たちに支持される漆器を作って新しいマーケットを切り拓いてほしいと思います。
ご本人のウエブサイトとメールアドレス:
http://www.facebook.com/Urushikobo Tomo
tomo-s.7861@nifty.com
上の写真左から:
1)朝顔型 2)洋梨型 3)猪口型
(いずれも直径7.5cm/高さ7.5cm、価格7350円(税込み))
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(2014/2 よこやまゆうこ)
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