四国香川県には、昔から伝わる「讃岐三白」という言い方があるそうです。それは、木綿・砂糖・塩。木綿の名産地として「讃岐 かがり手まり」は、戦後途絶えかけていたものを、故・荒木計雄氏が30年かけて調査、復興、1977年にこの名称で復元し、6年後には「讃岐かがり手まり保存会」が発足しました。
籾殻を薄紙で包み芯として、丸くなるまで木綿糸で巻いた土台に、草木染した木綿糸を絡げたり、引っ掛けたりして複雑な幾何学模様を刺します。土台をきれいな球型にするのが熟練の技なのでしょう。なかが籾殻というのもゆかしいところです。目を凝らしてみるとちょっといびつだったりしますが、そこがかえって道具を使わずすべて手しごとで作られたものの和みを感じさせてくれます。
上質の桐箱に入った「にほひ手まり」は、直径2cmほどの9玉が藍、茜、黄、紫、鶯色の各5種のグラデーションになっています。香りは白檀・丁子・龍脳などの香木を調合、蓋をとると雅な香りが流れだします。
「手まり箱」は、古典的な菊かがりの鞠が一つに小振りのかがり手まりが三つ。色と柄の組み合わせは選ぶのを迷ってしまうほど、どれも可憐な花々を思わせてくれます。ちょっとしたお礼のしるしとして重宝しそうです。
「にほひ手まり」は3780円(税込)、「手まり箱」は、作品により4104円〜5400円(税込)。
讃岐かがり手まり保存会
http://www.eiko-temari.jp
(2015/8 よこやまゆうこ)
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