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『アマミノクロウサギのぬいぐるみ』
『アマミノクロウサギのぬいぐるみ』
脊椎動物門・哺乳綱・ウサギ目・ウサギ科に属するアマミノクロウサギ。生息地は奄美大島・徳之島。ランクは絶滅危惧IB類。原始的なムカシウサギの仲間とされ、1921年に特別天然記念物に指定。これが、この可愛いぬいぐるみの素性です。生息地には、まだ原生林が残っているので末期的絶滅の危機に瀕しているわけではないものの、野犬や野生化した家猫、マングース、人間などが存続の脅威となっているとか。兎のトレードマークたる耳が短く、後ろ足も大きくないので、動画を見る限り、ピョンピョンと跳ぶことはなさそう。のそのそと夜陰に紛れて補食、子育てをする珍しい様子が https://www.youtube.com/watch?v=_XDTldSzk4oにあります。

さて、奄美といえば大島紬。1720年以前から作られていたことを示す文献が残っているそうですが、大島が紬といえるのは明治期くらいまでで、いまは撚糸を使っているので本当は紬とは言えず、柄からいえば大島絣というのが正しいとの記載もあります。これはちょっと驚き。確かに素材、柄から名称を付けるとすればその通りです。鉄分を多く含んだ水田の泥で染める黒っぽい色、細かな絣で織り出した文様が特徴の着物地として、一世風靡した時代もありましたが、着物離れの今は、生き残りをかけての試行錯誤が続いています。
この可愛いぬいぐるみの生みの親は原絹織物の原仁左衛門さん。丸い尻尾の後姿も愛嬌があり、ぼかし染めのスカーフをしているのもお洒落。お値段は6000円(+tax)。こちらのサイトからお求めになれます。

東京なら赤坂の「伝統工芸青山スクエア」でもご覧になれます。正統派の工芸品に混じって、このぬいぐるみはちょっと異質ですが、こんな商品開発もときには愉しいのでは。
(2015/10 よこやまゆうこ)

(C)Copyright 2004 Jomon-sha Inc, All rights reserved.

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