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<番外編>巨大ぶどうピオーネで染める
<番外編> 巨大ぶどうピオーネで染める
山梨県はぶどうの産地として知られています。
韮崎市の山間にある「穂坂ぶどうファクトリー」は、藤稔やピオーネなどの品種を栽培。農場主の齊藤 勝さんは、8月下旬から9月に入ると個人のお客様への地方発送に追われる日々を送ります。IT関係のお仕事からの転職だそうですが、親方から栽培を習い、親方の引退とともに10年もののぶどう畑を譲り受けました。

お訪ねした9月半ばは、藤稔の収穫をほぼ終え、さらに大粒のピオーネの出荷が行われていました。今年は次々と襲ってくる颱風にも被害はなく、ずしっと持ち重りのする房には糖度の高い実がびっしりついていました。
さて、今回の訪問の主たる目的は、痛んだりして出荷のできないぶどうを譲っていただくことでした。甘い香りを放つ実をとりのぞいた皮だけで絹糸を染めるのです。
媒染は椿灰の灰汁媒染。ほぼ、思いえがいていたとおりの透明感のある色を染めることができました。問題は堅牢度。数年置いて、退色を見極める必要があります。せっかく織ったのに、時とともに色が抜けてしまっては悲しいことになります。植物染織の悩みは、退色をいかに最小限に留めるかに尽きます。

標高1500mの八ヶ岳山麓はすっかり秋。生命を謳歌していた木々も野菜も草花も、もの寂しい風情を見せるようになりました。寒い季節は目の前です。

ご参考:穂坂ぶどうファクトリー
(2016/9 よこやまゆうこ)

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