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竹田コレクション 有松絞・古布手拭い
竹田コレクション 有松絞・古布手拭い
「絞」と一文字でしぼり。絞り染めのことです。
日本の絞り染めの歴史は奈良時代に遡り、以来、綿々と工夫が重ねられ、布を糸で括るさまざまな方法が考案され、二つと同じ模様に出ない偶然の意匠が好まれてきました。お嫁入りには総鹿の子絞りの振り袖を持たせたい、と母親は望んだ時代がありました。ステータスシンボルでもあったのでしょう。
名古屋市緑区鳴海町・大高町で伝統工芸品として作られる有松・鳴海絞の和手拭い。竹田嘉兵衛商店の竹田耕三氏による江戸、明治の絞り浴衣の意匠を復刻した「竹田コレクション」は5種類あります。そのうちの2つをご紹介します。


「蓑に鉄砲文様」と「蓑鎧段ほおずき蜘蛛追東風文様」という雄々しい図柄。布は今では稀少になった生成りの伊勢木綿100%。柔らかな撚りの木綿糸で織られた布は、使うほどにほどよく馴染んできます。常着である浴衣が老舗の竹田家に明治時代から残されてきたことも、床しいことに思われます。
古いものから意匠や色彩をもらい、新しい価値を生み出す作業は、うまくゆくととても佳いものができるようです。
一枚3000円は手拭いにしては高価かもしれませんが、伝統の伊勢木綿を使い、ベテランの絞り職人さんが絞り、どっぷり藍染めされた存在感は、たかが手拭いされど手拭いの風格があります。藍の濃淡が美しく、サイズはたっぷりの93x34cm。

お求めは、竹田嘉平衛商店 052-623-2511
http://www.takeda-kahei.co.jp

(2017/4 よこやまゆうこ)

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