二種類のウールの糸でクッションカバーの布を織りました。筬は25羽、綾織。経糸に使ったのは手織ラグ作家の
故伊藤久仁子さん
に教えていただき取り寄せた毛足の長い羊からとるノルウエー産ウール。ラグの経糸には木綿糸を使うのが普通のところを、打ち込みが極めて良いので、彼女はこのウールしか使わないと説明していただきました。
緯糸には、ループヤーンの一種でブークレヤーンと呼ばれる毛糸を使用、表情のあるしっかりした布が織りあがりました。織り始めと織り終わりの経糸を、あえて縫い込まずに結び、デザイン的な遊びにしてみました。濃茶の裏生地には、
SideStory#346
の座布団で使った布の余り裂を活用しました。
クッションに仕立ててくれたのは、小田原の
兄弟寝装
。この店は、昭和27年創業、布団綿打ち直し、羽毛リフォームを始め、特製枕、座布団など、何でも相談にのってくれます。羽毛布団全盛の当節、この手の店は激減しており、日本中から注文が来るそうです。暮らしの変化により、日本津々浦々にあった昔からの職業が先細りになるのは残念なことです。
(2018/2 よこやまゆうこ)
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