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『句集『火を抱いて』有馬英子』

句集と聞くと、どこか取っつきにくい印象があるかもしれません。俳句は小学校の授業で作ったことがあるきりで、それ以来意識したことがなかった、というのが大方でしょうか。俳句は五七五のリズムにのせて、自然やこころ模様を詠む詩型として江戸時代から詠み継がれてきた、意外に私たちの暮らしの近いところにあった文芸です。

有馬英子さんは、「俳句は叙情詩である」を標榜する師と30年前に出会い、以来、個性溢れる俳句を発表し続けてこられました。『火を抱いて』は彼女の第二句集。「火を抱いて獣を抱いて山眠る」からその題名はとられています。
この句集には20年間に詠んだ約300句がおさめられています。何よりも特徴的なことは、題字をはじめ章立てのタイトルなどに、ご自身による毛筆で書かれた俳句、一文字漢字が載せられていることです。英子さんは体が不自由で、ヘルパーさんに紙をずらしてもらいながら揮毫されました。
吟行に行けないから句は詠めない、と言う方がよくいらっしゃいますが、想像力と創造力で、こんなにも豊かな言葉を紡げることをこの句集は教えてくれます。

  冬の夜のベッドの下を潜水艦

  福笑いこれを自画像と決めた

  私からみな脱ぎ捨てる春夜かな

  老いてゆく夢の浅瀬を蝸牛


『火を抱いて』
発行:白 俳句会
連絡先:「有馬英子句集刊行会」
0446-25-7770

(2019/7 よこやまゆうこ)

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