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樺細工のシガーケース
樺細工のシガーケース
「ひとものこと」の名称で、こだわりの品々を世の送り出している六高寺菜穂さんが、秋田県の樺細工の職人さんと一緒に、珍しいシガーケースを作りました。

樺細工とは、山桜の樹皮を矧ぎ、表面を磨き、滑らかな手触りと独特の光沢を持つ素材に仕上げる伝統の手業です。秋田県角館を中心に、18世紀中頃から刀の鞘や、印籠、胴乱、煙草ケースなど、用途と美しさを兼ねた工芸品として愛用されてきました。最大の特徴は湿気を避け乾燥を防ぐことで、近年では、この性質を生かし茶筒として家庭でのお茶の時間に登場することが多いようです。


さて、六高寺さんは、湿気を避け乾燥を防ぐという特質はシガーケースにぴったりではないか、と考えつき、秋田県大仙市冨岡商店の職人さんと共に、2018年春に完成、販売にまで漕ぎつけました。身近に葉巻愛好者がいなければ考えもつかなかったアイテムだと思われますが、愛好者にとっては、従来のステンレス、革などの素材に代わるケースとして出色でしょう。というのも、樺細工は使い込む程に光沢が増し、味わい深い表情をたたえる愛着の一品に変化する素材だからです。葉巻を嗜む殿方にとっては、昔の武士が趣向の粋をこらした印籠と同等の意味を持つ携帯品になるでしょう。
そこで、六高寺さんは、世界中の葉巻愛好家をマーケットと定め、会員制の「シガークラブ」にアプローチ、使用者からの“いいね!”の声も届いているそうです。

素材にこだわり、習熟の術でもの作りをする日本の手しごとは、シガーケースのような、特殊ながら必ず熱烈な愛好家がいる、という隙間を狙った商品が相応しいのかもしれません。日々の暮らしの中で使いましょう、と呼びかけても、しっかり作られた伝統工芸品は高額になるものが多く、日常に使う暮しぶりは、既に極めて少数派になってしまったようです。
珍しい樺細工のシガーケース、こだわりの方への贈り物に最適ではないでしょうか。

Long H165xW26xD22mm  21,000円
Short H155xW26xD22mm  19,000円



(写真は全て「ひとものこと」と冨岡商店より)
(2019/8 よこやまゆうこ)

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