今回ご紹介するのは、2017年5月に
SideStory345
でお知らせした近江上布で作られた「本麻ふきん」です。
近江は琵琶湖の湖東地域に位置し、周辺の山々に降る雨水が地下に浸透し、時を経て湧水となって川に集まり、琵琶湖に注ぐ豊かな水に恵まれた地です。
近江上布は、琵琶湖の湖東地域で室町時代からの技法を伝え続けてきました。
麻の収穫から仕上げまでのさまざまな工程には豊富できれいな水が必要です。鈴鹿山脈からの湧水が豊かなこの地に麻織りが根づいたのは環境の恵みを生かした理由があったのです。麻仕事に携わる人々が集まり住んだ現在の旧愛知川町は、愛知川と中山道が交差する地点にあります。
麻には「苧麻(ラミー)」、「亜麻(リネン)」、「大麻(ヘンプ)」の三種類があります。苧麻は古い歴史を持つ線維で、天然繊維のなかでもっとも涼しい線維と言われています。亜麻は今の麻製品として一般的なもので、日本では明治中期から普及しました。大麻は古くから衣料品などに活用されてきましたが、紡績しにくい線維であることから、今では生産量が減っています。
高温多湿の日本の夏、麻の着物やブラウス、ジャケットが好まれるのは、麻が吸水性と発散性に勝れているからです。しわが付き易いことも、今では欠点ではなく、他の布にない特徴としてお洒落に着こなされています。
「本麻ふきん」は、使い易いサイズの正方形で、お値段も求め易く、受けとる方の負担にならないちょっとした手土産として最適な一品。男性からこんな手土産をいただいたら、その方のセンスにホレなおしてしまいそう!2、3枚、常備しておくと重宝するかもしれません。
長兵衛 本麻ふきん(大判)麻100%
サイズ:47cmx47cm
価格:800円+消費税
展示を始め、体験などのプログラムが充実した近江上布伝統産業会館までは、JR京都駅から近江八幡経由、近江鉄道愛知川下車で一時間半ほど。雑踏の京都に倦んだら、湖畔の静かな小都市に足をむけ、江戸時代からの手しごとを見たり、地機織りを体験してみては如何でしょう。
近江上布伝統産業会館
滋賀県愛知郡愛荘町愛知川13−7
0749-42-3246
http://www.asamama.com
こちらでもお求めになれます:
伝統工芸 青山スクエア
東京都港区赤坂8−1−22
03-5786-1301
https://kougeihin.jp
(2019/8 よこやまゆうこ)
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