photo: tadayuki minamoto
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でご紹介した超絶技巧の持ち主大竹亮輔さんを始めとする、明治時代に華開いた工芸の伝統を受け継ぐ若いクリエーターたちの展覧会のお知らせです。
青木美歌(ガラス)、池田晃将(漆工)、稲崎栄利子(陶磁)、岩崎 努(木彫)、大竹亮峯(木彫)、蝸牛あや(刺繍)、 小坂 学(ペーパークラフト)、長谷川清吉(金工)、彦十蒔絵 若宮隆志(漆工)、樋渡 賢(漆工)、福田 亨(木彫)、 本郷真也(金工)、前原冬樹(木彫)、松本 涼(木彫)、盛田亜耶(切り絵)、山口英紀(水墨画)、吉田泰一郎(金工) ら。
木、金属、ガラス、漆など異なる素材を用いながら、いずれも想像を絶する細密さ、造形の妙を惜しみなく発揮しています。明治時代の作品も展示され、その進化のさまを楽しめる企画展です。
堂々とした日本橋三井本店、7階美術館の美しい照明のもと、若い工芸家たちの作品は、どれも晴れがましく置かれていました。誰もが、その奇想天外な発想、それを具体化する技、素材が本当にそれなのか、といった疑問を感じているようでした。磁器と記されてはいるもののあまりに繊細なので磁器が素材とは思いがたかったり、古くて汚れた道具箱が漆で塗られていたり、スルメが一本の材木から継ぎ目なく削り出されていたり、純白な月下美人の花弁が鹿の骨を彫り出したものだったり。しかもその花が閉じたり開いたりするからくりまで仕込まれているという具合。
とにかく、百聞は一見に如かず、ご覧になることをお勧めします。長い歳月と忍耐強い作業、そのもとになる発想の奇抜さで、人目を欺いたり、驚嘆の声を上げさせたりすることの意味を考えさせてくれます。
『超絶技巧 未来へ!』
日 時:
2023年9月12日~11月26日
会 場:
三井記念美術館
東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号
三井本館7階
ハローダイヤル:050-5541-8600
https://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
(2023/10 よこやまゆうこ)
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