最初はアメリカ人に人気があった琉球ガラス、今では沖縄を代表する工芸品の一つとなっている。色とりどりの宙吹きガラスを作っている源河源吉(げんかげんきち)さんの工房を訪ねた。原田夫妻が応援している作り手である。真っ青な空の色をそのまま写し取ってきたかのような、珊瑚礁の海の色を再現したような沖縄らしいガラス食器だ。漆にしてもガラスにしても、沖縄の作り手たちの出す色はとにかく強烈だ。
世界遺産に指定されている「今帰仁(なきじん)城跡」は、万里の長城の超ミニチュア版のような石垣が残り、高台に立てば東シナ海からの海風が汗ばんだ肌に快い。説明によると、その建築様式は中国から伝わったもので、14世紀中頃のものという。青磁の碗などが出土されている。ノロと呼ばれ、今も尊敬と信頼を寄せられている存在である神女の住居跡と記された一角があった。今でもノロやユタは人々に尊敬され、生活に溶け込んでいるという。
因に、こちらの言葉で、暑くて暑くて死にそう!というとき“まふくわぶちくん!”という。“まふくわ”が“とても暑いまっぴるま”で“ぶちくん”が“ひっくりかえる”という意味だと、椎名誠が書いている。一度おぼえてしまうと、自然に口から出てくる言葉だ。この日のやんばるはとっても“ぶちくん”だった。
(横山祐子)
ーつづくー
|