Home Feature Side Story Shopping About Us
 
prev.
next

南フランス滞在記 〜その5〜 緊急レポート 南仏一帯は大洪水


11月15日頃から増水しはじめたロ−ヌ河の水位がじわじわと増し、今日11月26日にはアヴィニヨン橋周辺を中心に、かなりの浸水となった。 1、2日前から、さすがに全国版テレビニュース でも報道しており、今秋の南仏の洪水はひどいようだ。温暖化が遠因か、ダムの放水管理の都合か、 理由はわからないが、ひたひたと道を這い上がってくる水をすぐ足下に見たときは、泳ぎを覚えかけの頃の、したたかに水を飲んだあの息苦しさが脳裏をよぎった。

ローヌ河は、暴れ川として昔からこの地の為政者を悩ませてきたが、ベネゼという羊飼いの少年が神のお告げを受け、ローヌ河に橋をかけた、とおとぎ話のような話が橋の観光案内にはある。しか し、その後も洪水が起こり、橋の1/3ほどが流されてしまった。財政難から修復されないまま、 現在のように、渡れない橋――ベネゼ橋――とし て残されている。今では、音声ガイドを聞きながら橋を歩く旅行者が絶えない、法皇庁とならぶアヴィニヨンの観光スポットとなっている。

 



 



ローヌ河は比較的平らな土地を流れる川幅の広い大きな川なので、日本の洪水のように、あっとい うまに濁流が押し寄せ家が流される、という状態では起きないようだ。今回も文字通り、じわじわと増水し、いつの間にか川から水が道路にあふれ、 ひたひたと道を被い、一時は引いてゆくかと思わ れたが、逆に増水してきた。方々で通行止めや迂回の標識が立ち、警官が交通整理にあたった。城壁の中も外も、一日中、交通渋滞が続いた。


写真でわかるように、観光船がプラタナスの並木の際まで漂って停留し、交通標識はあごまで水に 浸かった。撮影をした日は、長雨が続いた1週間あまりのすえの晴日。美しい夕焼けの橋には、写真を撮る人たちが沢山が出ていた。
アヴィニヨンはミストラルがきつい、とは覚悟していたが、洪水に出会うとは思ってもみないことであった。

(2002/11よこやまゆうこ)

 


(C)Copyright 2002 Jomon-sha Inc, All rights reserved.

このホームページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。

 

(C)Copyright 2000 Johmon-sha Inc, All rights reserved.
Back to Index photo4~6 photo1~3