Side Story 048の書籍出版でご案内した角 偉三郎さんの美術館が出現しました。このニュースをいち早くお知らせしたく、2005年9月28日、待ちに待ったオープニングの日、石川県七尾市和倉町を訪ねました。
和倉温泉といえば加賀屋。その加賀屋が隣接の地に建てたマンションの1、2階が美術館です。
七尾湾の穏やかな海が手にふれるほど近くにある立地を生かした空間には、輪島塗という重い伝統の産地にありながら、独自の道を切り拓いた角さんの世界がありました。
今まさに海に向って飛びたとうとするUFOのようなへぎ板の円盤『のと星』に向うと、一瞬、言葉を呑み込み、そして、心の底からわくわくするような感情に浸されます。へぎ板45枚を重ねおいた『横たわる森』、朱の椀が空中を飛んでいる『リング』、椀を乾燥させるときに乗せる板を楽譜の線に見立てた『楽譜にのる椀』など、詩的なタイトルも楽しませてくれます。
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